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イロイロ【気象系BL】

第1章 おとぎのくにの



性別については徹底的に隠され、正しい知識を教えられることもなかった2人は、自分が女であると信じたまま、すくすくと健やかに成長していきます。

公爵さまどころかサトさま本人ですら自分が男である事実を知らないため、秘密を守るためにはサトさまを隠すような形で育てざるを得ませんでした。

何がきっかけで自分の体に疑問をもつか分からないからです。

ほんの少しでも秘密がバレる危険があるのであれば、それは事前に排除しなければなりません。

結果として不自然なほど表に出ることがなくなったのですが、娘を溺愛している過保護な公爵さまのおかげで、特に不審がられることはありませんでした。

こうしてサトさまの秘密が知られることもなく、月日は流れていきました。



サトさまは家族から過剰なほど可愛がられておりましたが、愛情をまっすぐに受け止め、驕り高ぶることもワガママになることもなく、素直でおっとりとしたお嬢様に育ちました。

カズは奥さまの希望で、常にサトさまとお揃いの服を着せられ、サトさまと同じ教育を受け、まるで本当の姉妹のように育てられました。

サトさまはカズを、妹であり親友でもあると思い、とても大切にしています。

それでも賢いカズは子どもながらに自分の立場をわきまえ、決して驕ることなく常にサトさまを敬い仕える者としての姿勢を崩しません。

サトさまにも劣らない愛くるしい外見と謙虚な態度に、カズもまた皆から可愛がられておりました。

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