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それいけ信玄さま! *イケ戦*
第11章 むすびのいちばん
「先鋒はこいつ……いや、こっちか」
「お決まりになりましたかな」
「いや。案外難しいものだな」
信玄さまと膝を付き合わせているのは武田軍の軍師、山本勘助さん。難しい顔をして、ああでもないこうでもないと、小一時間ほど何やら悩んでいる。
「畏(おそ)れながら殿は少々、移り気が過ぎまする」
「移り気かぁ」
「今少し、落ち着かれませぃ。仮にも大将、逞(たくま)しく構えていただかなければ」
「分かった。善処はしよう」
ハァ………
項垂(うなだ)れた勘助さんの溜め息が虚しい。
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