第7章 ひみつのはなぞの
人が寄り付かない、深い深い茂みのさらに奥。
鬱蒼(うっそう)とした木が開けて、眩しい陽が差し込むここが、誰も知らない俺の隠れ家。
「鋏(はさみ)は危ないから、じゃれてくるなよ、コロ」
「がう!」
「ん。よし」
パチン、パチン
……パチンパチン
パチン
伸ばせすぎず、刈りすぎず。
緋木瓜(ひぼけ)の花が満遍なく、美しく咲くように剪定するのが難しい。
「で…で………で。………なんだったか」
繊細という意味だと佐助に教わったが、南蛮語は耳馴染みが無くてダメだな。
パチン、パチン