第1章 出会い
革命軍とは、世界政府を倒そうとする、反政府組織。不条理な社会とその未来を正そうと世界中にその思想を広めている。
その革命軍のNo.2とされている、参謀総長、サボはある任務遂行のため、部下のコアラや、ハックなどと共に某国に潜入していた。
「見つかったか?コアラ」
サボは電伝虫で連絡を取っていた。
「まだ、見つからない、そっちは?」
「こっちもまだだ、引き続き頼む」
「了解」
サボたちの任務には、ある人物の保護が含まれていた。
その人物は、政府に追われており、危険人物として政府が重要視している人物である。
特徴は、瞳の色のみ。性別や年齢、肌の色や髪の色も未知の人物。サボは、瞳の色だけで見つかるのだろうか?と漠然とした情報に不安を募らせていた。
「…あぁーっ!もぅ!見つかるわけない!やめやめ!腹減ったしなぁ…」
サボが、今日の任務を強制的に終わらせ、食事をしに行こうとしていた時だった。
「キャーっ!!誰か!助けて!」
遠くから女性の悲鳴が聞こえてきた。
「おい、待て!女!」
「来ないで!」
サボは、困っているのなら助けなければ、と声のする方へと走っていった。
「…諦めて大人しく俺たちに捕まれ!」
「嫌!」
数名の男が女を囲むように壁際へと追い詰めていた。
その女の腕からは、切られたのだろうか、血がポタポタと滴り落ち、息が上がっていた。
「大人しく来ればなにもしない」
「嘘よ!信じられない、政府なんて。」
その言葉に、サボはピンと来た。
この女は助けるべきだ、と。
逃げられないと悟ったのか、女は震えて地面にペタリと座り込んでしまう。