• テキストサイズ

短編集 SN【気象系BL】

第9章 お預け中






トントントン…

「はーい」

「「「おはようございまーす!」」」

「ぉお、おはよう。」


今日はレギュラー番組の収録なんだけど…
いつもより楽しみにしてた。

ゲストに、にのが来るから。

最近忙しくて会えてなかった。
忙しいのは俺じゃなくてにのだけど。
ドラマやってYouTubeやって…
バリバリ働いてる。


本番前、楽屋に挨拶に来てくれた。
けど、扉が開いて、姿が見えたのは3人で…

「「「よろしくお願いします!」」」

「うん、よろしく。…にのは?」

「…んー。」

「おぉ…おはよう。」

「ん、ぉはよ。」

3人が色々言ってくれたけど
俺の意識は完全ににのだけに向いていて。

俺がにのを呼ぶと、
3人は後ろを向いて…
空いた隙間から、にのが顔を出した。
手を振って、いるよって。

「ちょっと時間ある?」

「あー…この後本番前まで動画撮る」

「…ちょっとだけ。ごめん、ちょっとだけ借りるわ。」

「………」

3人は、どうぞどうぞって
にのを前に押し出してきてくれた。

「…ごめん、すぐ戻る。」

「「「ごゆっくり♪」」」

先輩だから当たり前かもしれないけど
3人はにっこり笑って扉を閉めてくれた。


「…なに?」

「なにじゃねぇだろ。久しぶりなのに…」

「そうだっけ…」

「…忙しそうじゃん。」

「んー、ドラマやってるからね」

俺に興味が全くなさそうなこいつは…
本当に俺の恋人なのかね。

「まぁいいや…」

ガチャリ…

にのを抱きしめながら、
ドアの鍵を閉めた。

「…翔ちゃん…」

「……やっと目、見た。」

「だってさ…?逆に、寂しさ増すと思わない?ちょっとだけ会えちゃって…」

「んー…可愛い…」

「もぅ…翔ちゃん…」

すっと顔を上げてちょっとした
屁理屈を吐いたにのは、
また俺にぎゅーっと抱きついてきた。

「翔ちゃん…?」

「んー?」

「………」

「…そんな顔、俺以外の前でしてねぇだろうな?」

「…そんなって、どんな?」

「……ちゅっ、…チュッ…」

「んっ、…は…ん…ぁっ…//」

キス、してほしそうな顔。

耳元で、なんなら耳たぶを口に
すっぽり入れてしまってから、
そう言ったら…にのはビクッと震えた。

「あー…抱きてぇ。」

「…どストレート。」

「それほどに。」

「…………」



/ 28ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp