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短編集 SN【気象系BL】

第8章 嘘





「カズ」
「…………」
「入ってい?」
「……ぃーょ…」
「ありがと。」

カズは部屋の隅っこで
濡れたタオルを目に当てて座ってた。


「冷やしてたの?」
「んー…まだ赤い?」
「んー…?暗くて分かんないけど…腫れてはなさそう」
「そ?良かった…」

力なく笑うカズは
やっぱりなんか悲しそうだった。

「…翔くんヒドいね。」
「……聞いたの?」
「うん、ごめん…」
「いや…いいよ……」
「…許せない?」

「……俺はね…知ってたよ。明日…翔ちゃん用事あること…」

予想外な言葉。

カズは翔くんの家でたまたま資料見て
結婚式のことを知っていたみたい。
でも日が近付いても言ってこなかった、

そしてやっと前日…


「俺は…明日会えないことに怒ってるんじゃないもん…」
「え?」
「嘘つくからっ…」
「嘘?待って。それ聞いてない」
「……翔ちゃん最初俺に、明日仕事が入ったって言った…だからムカついて知ってたこと言って…たら、なんか悔しくて…」


言葉が見つからないほど驚いた。

いくら言いにくくても嘘は…っ
ダメだよ翔くん……!

「カズ、とりあえず楽屋戻んねぇ?それ、みんなの前で謝らせよ。俺らにも話さなかった」
「…ん。」

楽屋を出てカズを抱き寄せて歩いてると
相葉ちゃんと合流して
一緒に楽屋に戻った。



「「ただいまー」」
「お帰り。…にのもお帰り!」
「…ただいまリーダー」
「うん!こっち座ろうか」


また4対1な状態で座り、
みんなで翔くんを見ると
翔くんはまたしょんぼりしてた。



「翔くん。嘘はダメだ。」
「っ……ごめん…」

「何!?嘘って何!!」

リーダーは翔くんに聞いたみたい。
知らない相葉ちゃんだけが騒いだ。
相葉ちゃんにも説明して、話の再開。


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