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短編集 ON【気象系BL】

第1章 心の癒し


>>side:Kazu


「ただいまー…あ」
「お帰り、カズー」
「さとしっ…」
「んー?おっ!きた!!」
「……………」


最近、…ってもうだいぶ経ったかな?
うちの彼氏さんに趣味が増えました。
俺にとってはちょっと厄介な趣味。

そうです、釣りです。海です。船です。

なんでよりによって俺が嫌いなもの?


最近忙しくて、一緒に住んでても
あんまり逢えてないのに
この男は気にもしていないのか、
休みの度に釣りに出かけていく。



今日だって、帰ってきて
珍しくいると思ったら
釣り番組に釘付け。


俺はドラマの撮影で疲れてたから
もう、怒る気にもなれなくて
シャワーを浴びてすぐに寝た。

実は今日、撮影中少し具合が悪くて
周りの人に心配をかけてしまった。

ほんとは智に癒やして欲しいのに…




――――――――

「さとし…?」

朝、起きたら智はいなかった。
今日は智はオフのはず。
こんな朝早くいないってことは
釣り以外考えられない。

「…はぁ……」


確かにさ…俺もマジックとかで
智のことほったらかしたりしたけどさ…
俺はいたじゃん…。近くにいたよ…?
なんで智はいなくなっちゃうの…?



朝からそんなこと考えてる暇もない。
今日は1日中スタジオに
籠もりっきりの撮影。

精神的には正直倒れそうだけど
そんなことしてる暇もないんだ。




「にの、大丈夫?ちゃんと寝た?」
「帰ってすぐ寝たよ…」
「そう…?しんどかったら言うんだよ」
「分かってます…」

マネージャーには顔を合わせるなり
心配された。俺どんな顔してんだろ…


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