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【ONE PIECE】トラファルガー・ローに愛されて。

第4章 花弁。



*  *  *  * 


左首筋には、くっきりと、ドンキホーテ海賊団の印。
最期まで粘って抵抗したが、能力を使われてしまえば、呆気なく刺青で、深く、深く、刻まれた。
火傷したようにヒリヒリと痛む、その上を彼は優しく、唇を落とす。

「お前は俺のもンだって、見えるところに付けとかねェと…なァ?」
『…意外にも、独占欲があったのね』
「お前を…他の奴になんて、やる気はねェからなっ!!」


まぁ、化膿したらいけねェよな…。

満足そうに笑い、まだ痛みが引いていないマークの上を、愛おしそうに指で、惜しいようになぞり、背を向けて歩き出す。
そして、ヴェルゴさんがマークの上に、消毒液を染み込ませたガーゼを乗せ、テープで止めた。

「3日くらいは、それを何度か取り替えるからな」
『…ぁ、はい。ありがとうございます!』
「…お前も哀れだな」


ドフィは、お前を放す気などナイぞ。

背後に彼の気配を感じ、ハッとして顔を上げる。
つい先ほどまで、私の視界内でウロウロとほっつき歩いていたはずのドフラミンゴがいない。
ソファに腰掛けたまま、ぐっと首を捻ると、穏やかな笑みで真上から私を見下ろしている彼がいた。


「シェリル。…ずっと、ココにいたらいい」
『………っ?!』
「俺がお前を護って、愛して、大切にして…、幸せにしてやる。…だから―――――」


ずっと、俺の傍にいろよ。

ローと同じ言葉、同じ表情、優しい手…。
不意に襲ったフラッシュバックが、心の中で抑えていたモノを溢れさせた。
そんなに寂しそうに言わないで、嫌いになれなくなる。

(大嫌いになって、殺したい程憎んで、逃げ出すつもりだったのに…)

『何処にも行かない、ココにいる』
「シェリル…」


ずっと、ドフラミンゴの傍にいる。

ソファの上に立って、必死に彼の首に手を回し、自ら彼を引き寄せた。
彼を放っておけなかった、どうしても…、ローのあの悲しい目と重なって。







―同じ穴のムジナだから―
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