第36章 commit a fault(4)
智「雅紀…お前今何でじいちゃんにあんな事言ったんだ?」
雅「んー…何でだろ…何かじいちゃんが寂しそうに見えたから、元気づけたくて」
…やっぱり凄いな…雅紀兄さん…
きっと会長の心情を感覚的にとらえたんだな…
和「…ありがとうございます…雅紀兄さん…」
雅「ん?何が?」
…本人解ってないのも流石だな…
翔「潤、そう言えばお前がさっき言ってた事って…」
あ、そうだった…
潤「和、今聞いても大丈夫か?」
和「うん…何?」
潤「お前が刺された後、俺に犯人を追ってって言ってただろ?その時、今回の殺人犯と一緒って言ってたのは…」
和「…あの時…犯人は独り言のように呟いてた…『男だろうと女だろうと、近付く者は殺すしかない』…って…」
その時、和の手は微かだけど震えていた
和…思い出したんだ…あの時の恐怖を…
俺は和の手をソッと握り締めた…するとだんだんと震えが治まってきた
潤「…大丈夫だよ…和…」
和「潤…」
翔「和也…大丈夫か?」
和「はい…大丈夫です…で、その犯人ですけど、恐らく潤の知り合いです。多分学生時代の…」
潤「えっ!?」
な、何で和がそんな事を知って…!
和「あの時、ホテルの制服を着て『ルームサービスをお持ちしました』って来たんだ…それで『部屋を間違えてませんか?』って言ったら『松本様よりご注文頂きました』…って…」
…え?
智「何でそれで学生時代のって解るんだ?」
潤「…ホテル側が個人情報を教えるとは思えない…だから俺が『松本』だと解ってるのは、兄さん達を除いては学生時代の知り合いだけだ…」
まさか…本当に…?