第30章 例え茨の道でも
潤「広野さんから聞いたよ…」
和「…えっ…」
潤「見合い話がきてるんだろ?それでこの間から連絡してるけど、お前は待ってくれって言って先延ばしにしてるって…」
翔「見合い?じゃあプロポーズを断ったのって…」
和「…おじいさんから大野グループを継ぐ為に戻って来て見合いをするように言われて…」
…やっぱりそんな事だと思った…
潤「和…ひとつ聞いても良いか?」
和「…はい?」
潤「大野グループを捨てて俺と一緒になる気はあるか?」
和「…えっ?」
潤「さっき本邸に行って会長に話してきた…和と結婚させて下さいって」
俺がそう言うと、和は目を丸くして驚いていた
和「じ、潤くん!何を…!大体そんな事おじいさんが認める訳が…」
潤「うん、大反対されて怒鳴られた。けど俺の気持ちは変わらないから、俺大野の籍を外してもらった」
翔・和「…は?」
突然の事で和のみならず、翔兄さんも驚きで目を丸くしていた
潤「今の店は元々大野グループの土地だから、暫くは家賃を払って営業するようになるけど、行く行くはここを出て自分の店を出したいと思ってる…その時和に側にいて欲しいんだ…」
和「潤…くん…」
そこで俺は大きく深呼吸して
潤「『松本和也』になってくれますか?」
そう伝えると、和はまた涙を流しながら
和「…うん…ついていく…潤くんに…」
そう言って俺に抱きついてきた…