第9章 帰国…？

『ごめん、快斗。
私行かなきゃ』



「あー、アレだろ？さっきの、愛香の仲間だろ。
これから色々楽しー事しようと思ってたから残念だけど、こればっかりは仕方ねぇーな」



『本当ありがとう。
快斗のお家も覚えたし、また遊びに来るよ』



「おぅっ、そんときゃーいっぱいご奉仕してもらうわww」



『それは考えとく』



とりあえず、快斗の家に置いてきた服は後日工藤邸に送ってくれる、と言うのでお言葉に甘える事にした。
快斗も怪盗キッドの件で色々大変なようで、軽い挨拶(おでこにチューされた)でお互いに別れた。



そのまま先程の赤井秀一が射撃して来たであろう位置付近まで歩く。
恐らく彼が待っている、だろうから。
その推理は当たっていた。
既にお馴染みのあの赤い車がビルの下に停まっていた。



そこに近づくと、助席のドアが空いた。



「どうぞ、お嬢さん乗って下さい」




乗っていたのは、先程の赤井秀一、ではなく変装を終えている沖矢昴の方だった。
この短時間で変装をするとは…この人も相変わらず凄い人だ。
と、言うか、お嬢さんって…嫌味でしょうか。
少しイラッとしながらも大人しく指示に従う。
座席に座りシートベルトを締めるとすぐに車は発車された。



「その姿、お似合いですよ。
まさか僕の妹にそんな趣味があったとはね」



車を走らせながらそう言ってくる昴兄。
分かっていて言ってくる、本当嫌味な人だ。
不機嫌を隠す事もなく、ムスッとした表情でバックミラーを睨みつける。



『恨むからね、コナン君』




「ええぇぇっ…！？」



隠れていたのだろうか、にょきとコナン君がバックミラーに映った。
姿は見えなかったけれど後部座席に人の気配があったから居る事は知っていたのだ。
彼がこの運転手に私の居場所を言ったのは間違いないので、犯人は貴方だ…！！そう突き付けてやりたいが、さっきの一言でおどおどしている彼を鏡越しに見たので我慢してやろう←