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stride‼︎

第5章 火事


「よし、じゃあ明日行けるように、大家さんだけご飯食べたら電話する!」
「うん。俺片付けとくし、電話してきな。
被害とかも気になるでしょ。」
「うん。ありがとね。日々人。」
「うん。」

食べた食器を一緒に流しに運ぶ。
お皿を洗い出した日々人の広い背中を見てると触れたくなって、何も言わずに抱きつく。
「ぅおっ!ビックリした。
こらー。先、電話してきなさい。」
と横目で見ながら全然怖くないお説教をしてくる。
「へへ。ちょっと充電してから。」
日々人の温かい体温を感じてたら、いきなり日々人が泡だらけの手のまま振り向いてキスをする。
「ん…泡っ垂れちゃ…」
キスの合間に訴えようとしたけどまた唇が重なって叶わない。

やっとのことで長いキスから解放される。
「はい。充電完了ー。」と日々人が男らしい笑顔で笑う。
「ゆめのそのキスの後のトロけた顔、可愛い…。」
日々人が私の耳の横の髪の一筋に触れる。
「あっごめん。俺泡だらけだったんだ。
その顔見てたらもっと触りたくなっちゃうんだよなぁ。」
そんなことまっすぐ見つめながら言うから顔が赤くなってまっすぐ日々人の顔が見れなくなってしまう。
日々人はバシャバシャと洗った手で髪についた泡をとってくれる。
「日々人ってときどきすっごい恥ずかしくなる言葉をサラッと言うよね。」
「だってホントにそうだもん。」
しれっと答えて水で冷たくなった手で、私の頰を包む。
「それに真っ赤になるかわいいゆめが見れるし。」
悪戯っ子みたいにニヒヒと笑う日々人は少年みたいでかわいくて、背伸びして日々人に口付けて抱きしめる。
日々人も腕を回して抱きしめてくれる。

「あっ今日ね。必要な物だけ買いに行きたい。
下着とか化粧品とか、あと服も少し買わなきゃ。」
「ん、じゃあ昼から少しだけブラブラ行こうか。」
「うん。へへ。」
「何?なんで嬉しそうなの?」
「だって、デートじゃん。
いつもは会えるの夜が多いから、ごはんとかお家が多かったけど今日はずっと一緒だし、一緒に買い物行けるし。
嬉しいの。」
「あ、のさゆめ…。」
「ん??」
「あっやっぱいいや。」
言葉を濁す日々人がめずらしくて不思議に思ってると、
「はいはい、早く電話するー。」とリビングの方に押しやられてしまう。
気になるけど電話もしちゃわやきなゃだから携帯で大家さんに電話をかける。
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