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stride‼︎

第4章 ムッタとヒビトとカイト


『お疲れさま!
ムッちゃんと飲みに行くの火曜になったよ。
行けそう?』

日曜の夜、仕事が終わって家に帰ってから携帯をチェックすると、日々人からメールが届いていた。
ソファに寝転がって返信する。

『大丈夫だよ!
仕事だから終わったら連絡するね。
楽しみ!!』

メールを送り、ご飯を食べてボーっとしてると、携帯にcallingの点滅。
日々人からだ。

「もしもし?」
「ゆめ?仕事終わった?」
携帯ごしの日々人の優しい声。
金曜に会ったばかりなのに、もう恋しい。

「うん。今家に帰ってきてご飯食べたとこ。」
「そっか。お疲れさま。」
「ありがと。どしたの??」
「ん?ゆめの声が聞きたくなった。」
「えへへ。わたしも日々人の声で、仕事の疲れが吹っ飛んだよ。」
「それはよかった。」
フッと日々人が笑う。
「…いま、日々人に抱きしめてほしいな。」
「俺も…、ゆめのこと、ぎゅってしたい。」
甘い会話に胸が疼く。
「うー、火曜早く来ないかなぁ。」
「あと2日、すぐだけど遠いね。」
「うん。」
「あっ場所、近くのロージナって分かる?」
「一回行ったことある!
駅からすごい近いとこでしょ?」
「そうそう。そこ。」
「何時になるかわからないから、先に始めててね。」
「了解。また終わったら連絡ちょうだい。」
「うん。お兄さんに会うのも楽しみだな。
南波兄弟!」
「うん。ムッちゃんはすごいよ。」
「あはは。すごいんだ!
楽しみにしてるね。」
「うん。」

少しの沈黙。
ケータイを当てた耳が熱くなってきている。

「ゆめ…。」
日々人の切なさを含んだ声色。
「ん?」
「好き。」
「うん。わたしも好き、だよ。」
胸がきゅう、となる。
困らせたくなくて、会いたいって言葉をなんとか飲み込んだ。

「ゆめは明日も仕事?」
「うん。日々人もだよね?」
「うん。明日は朝から訓練。」
「そっか、頑張ってね。」
「ゆめもね。」
「うん。」

「じゃあ、俺明日早いし、風呂入って寝るね。」
「うん。おやすみ、日々人。」
できるかぎりの愛を込めておやすみを言う。
「おやすみ。ゆめ。」

日々人の声の余韻を感じながら、ソファの上にあるクッションを抱いてしばらく目を閉じる。
もう、大好きすぎるよ…。

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