第6章 プチストーリー
〜不機嫌な彼〜
ベルモット「ねぇジン。どうしたのよ。」
ベルモットは無残な姿で地面に転がっている今日のターゲット。
いつものジンなら脳、心臓のどちらかを狙って1発で射殺するのに、今日の死体は違った。蜂の巣状態になっていた。
明らかにおかしい。
ジンは何も言わずに車に戻っていく。
あのシャルトリューズの初任務がバーボンと知ってからおかしいのだ。
ん?まって……。シャルトリューズの初任務がバーボンと?
ベルモット「ふぅーん。」
私はニヤニヤしながらジンのいる車に戻る。
ベルモット「ねぇジン。あのシャルトリューズ、今日バーボンと初任務よね。」
ジン「あ?」
ジンが冷酷な目で今すぐにでも殺してやろうか、と睨んでくる。
ビンゴ♡
ベルモット「やーねぇ。何をそんな怒っているの?もし初任務が失敗だったらどうするの?」
ジン「それはありえねぇ。」
絶対的シャルトリューズに対する信頼。
あのジンが信頼するほどの子。
興味しか湧かないわ。
ジン「おい。余計なこと考えてんじゃねぇだろうな?」
カチャっとこめかみに冷たい黒い銃口があてられる。
ベルモット「さぁ?」
その日1日機嫌がいいベルモットと1日機嫌が悪いジン、そして車の中、空気になっていたウォッカであった。
〜犬のお巡りさん〜
風見「っ……。」
目が覚めると人気のない路地裏だった。
確か、さっきまで尾行をして……そして、後ろから誰かに……。
風見「はっ?!」
慌てて大通りに出るも、標的はどこにも見当たらず。
風見「くそ!」
私は慌てて上司に連絡をする。
風見「もしもし風見です。!?え、えぇ……。はい。はい。」
電話を終え、仕事場へ向う。
上司は失敗していることを知っていた。失敗して注意は受けたものの、上司は不機嫌ではなかった。
渚……。
上司が調べるよう私に任された仕事。
私はスマホを見つめる。
本来ならば情報が映される画面たが真っ白なのだ。それは渚は存在しないと言っているものと同じだ。
降谷さん。貴方は何を追っているのですか?