第21章 一時の平和な時間
それから時間かけてリオは右腕を治していった。
骨が完全にくっついた段階でギプスが外れ、傷の具合も良くなったので包帯も取れた。
しかし、右腕の傷はロー以外のクルー達を驚かせる大きさだった。
右肩には鋭い爪でつけられた大きい3本の引っかき傷跡。
そして右腕には牙が貫通した噛み傷や裂け傷の跡が数個。
繋ぎ合わせた時についた傷もあり、痛々しいものだった。
甲板でリオに傷を見せられたクルー達は言葉を失った。
「リオ…なんといえばいいか…」
「平気よ。傷は隠せばいいもの、それに…」
右手で傷がついていない左腕に触れる。
「こっちは傷ついてない、私の誓いと誇り」
リオはそう言うと長袖のパーカーを羽織る。
「傷を活かして右腕全体にトライバルタトゥー入れるのも有りかなぁ…」
「リオ、それ以上のタトゥーは俺が許さねぇ」
(((一番身体にタトゥー入れてる人が言っちゃったよ…)))
その場にいたクルー全員がそう思った。
「ちっ、じゃあ肩から手首まで隠れるようなカバーでも作ろうかな」
リオはそう言った時、リオの背後にあった鉄柵に誰かが乗ったような音がした。
音がした方を確認するとそこにいたのは…
「クレイン?!」
黒シャツに黒いズボン姿のクレインが立っており、リオがその場から離れると甲板に降り立つ。
「久しいなリオ。スパローと一戦交えて怪我をしたと聞いたが?」
「もう治りました。で、何か用?」
リオは少し面倒くさそうにそう尋ねるが、クレインから言われた言葉に目を見開いた。