第19章 相見える2人のオルニス
「……敵討ちは出来たか?」
ローが甲板から陸地にある木に向かってそう言うと木の陰からスパローが出てくる。
「あぁ。すまない事をした」
「そう思ってんならあいつに直接言え。来い」
スパローはローの言葉に軽く頭を下げるとポーラタング号に乗り、ローの後をついていく。
ローが案内したのはオペ室で一番奥のベッドにリオが眠り、右腕は動かさないように固定されている。
「ん…?」
人が入ってきた気配にリオは目を開ける。
「リオ、寝ていたとこ悪いが客人だ」
「ん…あ、スパロー…」
まだ少し麻酔の影響が残っているのか少し呂律が回らない口調で話し、左手をひらひらと振る。
「……シルバークロウ、すまない事をした」
「気にしないで、いつかは戦うって思ってたから…」
リオはそう言い笑ったがスパローは自分が攻撃しギプスと包帯で覆われた右腕を見て顔をしかめる。
「師匠の仇…ありがとう。助かったわ」
「気にするな、俺の目標でもあった」
「……ねぇロー、この島を出る前に行きたいとこがある
の。スパローも連れて」
「しばらく安静だと…」
「わかってる。でも行かないといけないとこなの、お願い」
しばらく反対していたのだがリオの眼差しに根負けしたのかローはため息をつく。