• テキストサイズ

~貴方とずっと~ 私的【イケメン戦国】

第4章 手術


やっと迎えた手術当日の朝。

ここまで短かったような、長かったような、不思議な気分。

そして全く緊張なんて感じさせない雰囲気の信玄様。

いま、私達3人と看護師さんの4人で手術室に向かって歩いている。

私が信玄様の手をギュッと握りしめると、信玄様はそっと握り返してくれて

「きょうこ……指先が冷たくなってるなー」

「私が緊張しても仕方ないですよね」

「いや、俺の分をしてくれているんだろう?」

ニコッと余裕の微笑みの信玄様。

「う……そんな訳じゃ……」

私がしどろもどろになっていると

「大丈夫だ、俺はもっと大きな刀に斬られた事があるからね。あんな小さなキズじゃあ、死ねないな」

私の耳もとで、そんな事を言う信玄様。


……


た、たしかに……
あの戦国時代を生き抜いてきた人なんだもんね、うん!


「信玄様、ご武運を」


いつの間にか、手術室の前に着いていて、佐助君がいつも(?)の言葉を信玄様にかける。


「あぁ。少し行ってくるよ、きょうこ、佐助」


軽く手を上げる信玄様。


「はい!頑張って、立派なまな板の上の鯉になってきて下さいね!」


「ははっ!そうだな!」


笑顔で手を振る信玄様。

私と佐助君も、手を振る。


広くて逞しい信玄様の背中は、あっさりと手術室のドアをくぐり、


すぐに見えなくなった。








/ 152ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp