• テキストサイズ

~貴方とずっと~ 私的【イケメン戦国】

第13章 再会 ~本編完結~


手を洗った息子が、後ろから覗き込んできた。

「それ、きょうこの事だよなっ!?」


私達が見ている小さなコラムは、史実や語り継がれていた正室や側室、そして美少年への恋文、その事について書かれてあった。

早くに亡くなったと言われていた正室は、実はずっと健康で何人もの子を産んだこと。
しかもその正室とは 非常に仲睦まじく、周りが羨むほどで、側室や恋文は、それを妬んだ者がふざけて書いたのではないか?と。

そして最後に正室の名は『きょうこの方』と書かれてあったのだ。


「間違いないだろうな……」


私達の声を聞いて、母さんがキッチンからやっと出てきた。

「何の話?」

「ほら、ここにきょうこの事が書いてあるんだ」

本を見せると


「あら、ほんと。でも小さいわね」

「確証が持てないんだろう」

「でも、そこが きょうこ らしいよな」

息子の言葉に、私達は声を上げて笑った。

そして私は


「次の休みに、皆で出掛けるぞ」


そうだ。あの日の晩、信玄君に頼まれていたんだ。


『何か変化を感じた時に、訪ねて頂きたい処がございます』と。


だが、私は彼にこう伝えていた。

『歴史を何も変えてはいけないよ。娘には辛い思いをさせるかもしれないが……側室や子供の事もだ』

だが

『歴史は変えません。ですが、それだけは……お約束出来かねます』

男の私でも、惚れ惚れするような笑顔で言ってのけたんだ……


信玄君は



/ 152ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp