第7章 ヒメ…ナヤム
……俺のバカ。
やっと。
潤くんと二人きりになれたのに。
やっと…
俺の気持ちを伝えれると思ったのに…。
「…っく…」
潤くん家を出て…泣きながら歩く。
ポタポタと俺の頬以外からも…雫が落ち始める。
雨……。
天気予報も見なかった程…浮かれてんだ。
大通りに出てタクシーを拾おうとキョロキョロしてたら…「ニノ??」と…声が聞こえて振り向くと…
「……あい、ばさん」が…偶然にも俺を拾ってくれた。
「あれ?松潤と一緒だったんだよね?さっき電話してた時そう言ってたけど?」
雨に濡れてた俺をそっと引き寄せてタオルで髪を吹いてくれてる。
「…でて、きちゃった」
一言だけ、そう言った俺にそれ以上何も聞かず相葉さんのマネージャーの車に乗り込む。
「仕事?」
「そ!さっき終わってさー!腹ペコ!」
よく見るとコンビニの目の前で俺は拾われたらしい。
「ニノは?食べたの?」
フルフルと頭をふる。
それに、ニコッと笑った相葉さん。
「久々俺お手製の朝ご飯食べる?」
そう聞かれ…コクっと頭を下げた。