第3章 調査
「ただいま~」
少女Aの母が「おかえり~」と言った。そして、
自分の部屋に入った後、少女Aはその後、帰り道で友達に言われた事を考えていた。
「サンタさんか~。確かに、私も今までサンタさんの姿を見た事はないから、
もしかしたらサンタさんは、本当はいないのかもしれないな」
初めてそんな事を思った。
「は~。いなかったらどうしよう?まぁでも、どうせ、
まだまだクリスマスまでは大分時間があるからな~」
その娘がそんな事を考えている間、霧河は、
スマホでその家やその周りの写真を撮り、
その娘の欲しいモノが何なのかを、手持ちのメモ帳と鉛筆や消しゴムを使って、
メモにとっていた。
(ふ~ん、なるほど、良い家だな。ふむふむ。この娘が欲しがっているのは
犬の人形か。でも、犬が好きなら、何で
本物の犬を欲しいと思わないんだろ?まぁ、そこは良いか)
考え事をしながらメモをとった。
ついでに、別の家の周りでも、聞き込み調査を行った。あっちこっちに行って、
会話でもひとり言でも、
「クリスマスは〇〇が欲しい」という声が聞こえてこないか気になり、
あっちこっちでそういった言葉を聞き取る。
別の家の庭では、
別の女の子が「マフラーが欲しい」、そのまた別の家では、
またまた別の女の子が「マグカップが欲しい」などと言っていた。
「なるほど、女の子はオシャレなモノや可愛いモノが好きなんだな」、
霧河はそう言いながら黙々とメモを取っていた。他にも、
調査を進めていくと、ある家庭の男の子が
「〝グロリアスライダー〟の変身セットが欲しい!!」と言っていた。
「なるほどね。特撮モノが好きとは男の子らしい。俺も昔、めっちゃハマったな」と
言いながらまたメモをとる。色んな家庭を見てみれば、「電車のおもちゃが欲しい」と
言っている子もいて、「剣のおもちゃが欲しい」と言っている子もいた。
(ふむふむふむふむ。なかなか皆、良い趣味してるな!)と思った。そして、そこで、
その日の調査が終わった。