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あおい春のはなし

第9章 花形夢


中間テスト。花形が学年トップだった。
「それにしても、花形ていつ勉強してるんだ?」
成績表を後ろから見ていた藤真が言う。
「大体朝起きてすぐ勉強するのがルーティン。やらないと気持ちワルいな。あとテスト前は、普通に寝る前に勉強してるけど」
「いやそれ、全然普通じゃないわ」
「でもたまに一番とれないからなー、二番が悔しい…」
「うん。それは、私も同意見。」
急に話にはいってきた女子は、いつも花形と成績で一番争いしてる女子だった。
振り返った藤真がびっくりして目を見開いてる。
「花形くん…私結構今回自信あったのに二番なんだけど…!」
「いや、うん俺も結構勉強したし…」
「私、次の期末ぜっっったい一番とる!なんなら賭けてもいいから勝負して!」
「え、あ…落ち着いて…勝負って…俺別に興味ないし」
「一番じゃなかったら、何でも言うこときくから私が勝ったら、花形くんが私の言うこと聞いて」
「…え?!」
「い、いいんじゃないか花形?勝負しろよ正々堂々とさ!」
さっきまで、ポカーンとしてた藤真も煽ってくる。
「……わ、わかったよ」
「約束ね!!!」
鼻息荒く、彼女が去っていった。

「めちゃくちゃ面白いなあの子」
にかっと笑いながら藤真が言う。
「楽しむなよ…順位掛けて勝負なんてさ…」ふう、とため息をつく。
「彼女、お前に気があるんじゃないの?話するきっかけ欲しいんだろ?お前はどうなの?」
「なっ…!…いや、うん可愛いし…」
「…し?」
「……何でもない」
「花形…俺、お前の心今読めたぞ!」
「もう勘弁してくれ、藤真…」
(そう彼女、胸が大きいんだよな…翔陽男子の中では結構それで有名。成績良くて目立つし。可愛い顔だちで性格は勝ち気…)
正直気になる女の子ではあった。
興味と好意…まだ好きだとかは、ない。たぶん。
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