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あおい春のはなし

第3章 藤真夢 付き合うまで


翔陽高校三年三組の私は、まあ割りとモテる方だと思う。
髪は色素が薄くてほんのり茶色で、毎日トリートメント欠かさないロング。
小顔で目はくっきり二重。

よく男子に告白されるけれど、今まで一度も異性と付き合ったことはない。
好きな人には全然相手にされない…ていう悲しさ…。

高校三年間ずっと好きな人、バスケ部キャプテン藤真。
もう翔陽のスーパースター。
めちゃくちゃモテる。
芸能人なみのルックス、バスケは飛び抜けてうまい。好きにならない女子はいないくらい。

それに性格は男らしい。

それとなく話かけたりして、冗談いいあえる仲くらいにはなれた。
けれど、到底恋人昇格には程遠い関係…正直どうすれば現状打破できるのか悩ましい。

お弁当食べた後、屋上で本を読む。
なぜなら屋上は、まあ藤真がよくくる場所。
そしてよく女子に告白されている。

さっそく屋上で見かけるスーパースター。

(今日は一年生か…)
「藤真先輩!好きです!」
「…ありがとう。でも俺今はバスケに専念したいから彼女はつくらないんだ。ごめんな。」
「…はい」
泣きながら去っていく一年生。
ふーと頭をかきフェンスにもたれる藤真。

「…もてもてだね?藤真」
近づき声をかけると、フッと笑い
「お前ほどではないよ」なんて言う。

「告白されて断るのもさー、ほんと申し訳ない気持ち。最近頻度多くてさ。今は俺ほんとバスケ一色だからさ」
「あーうん、わかる、わかる。ほんと申し訳ない気持ちだよね」
「ん…いや、お前はなんで誰とも付き合わないの?純粋に不思議なんだけど」
(それは藤真が好きだからだよ!とは言えない…)
「…ほんとに好きな人と付き合いたいからだよ…」
「へー、好きなやついねえの?」
「……う、うん」(いるけどね!)
「………あのさ、ちょっと提案あるんだけど」
「ん?」

藤真の提案は偽装恋人だった。
お互い告白人数減らせるし、と。

「勿論、そっちに本当に好きなやつできたらいつでも解消するから、どう?」
キラキラした目で提案してくる。
(人の気もしらないでーー)と思いつつ、

「その話乗る!」

そう答えていた。
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