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武将達との恋物語

第11章 いいこと探し 〜直江兼続〜 



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ー恐らく、ご懐妊でしょう。ー


そういえばここは戦国時代だった。
エコーも無ければ妊娠検査薬もない。

月のものが止まって悪阻が始まっているのならば恐らくそうなのだと、現代人で大人の女性なら誰でも分かりそうな事しか診断は下されず、結果、出かける前と変わらない状況でお城へと戻ってきた。


二人の部屋に兼続さんの姿はもちろんない。
一人で夕餉を済ませ湯浴みへ…



そして湯浴みから戻ると…


「あれ?」

続きの間の寝所に敷かれている布団は私の布団一組だけ。

これは…何だか見覚えがあるぞ?

もしかして…

急いで隣の部屋を見れば、やはり兼続さんは仕事をする部屋の方に自分の布団を敷いている。


「やっぱり…」

デジャヴのようなこの光景…こんな事が前にもあった。

私のことが好きだと気付いた兼続さんは、気持ちを抑えられず私を襲ってしまわないようにと、部屋を分けて眠ることで私を守ろうとした。

だけどあの時はまだ恋仲になる前だったからで…


「今回は一体なぜ…?」

口に出しておきながらも、なんとなくな理由は頭に思い浮かぶ。


「やっぱり…迷惑だって..ことだよね…」

そりゃそうだ。付き合い始めたばかりなのに、しかも大体において私は足手まといな存在であるのにそんなのと子どもを養うなんて、頭のいい彼にはあり得ないと計算し判断したんだろう。



ー サラ 好きだ ー


前回部屋を分けられた時に彼に理由を聞いたら、真っ直ぐに私を見つめて彼はそう言ってくれて、全身から血が湧き立つほどに驚いて嬉しかったのに、今回は理由を聞いてもきっとそんな嬉しい答えは返ってこなさそうだ。



「私が…お部屋を出た方が良いよね」

元はと言えば、織田軍の捕虜だった私の監視のために置いてもらっていたわけだし…


「でも、どこに行こう…」

いつでも戻って来いとは言ってくれたけど、あんなにもラブラブモード全開な所を見られた織田軍には戻りづらいし…


「いやいや、まずは話し合いでしょ」

ペチペチと自分の頬を軽く叩いて頭を覚ます。
一人で勝手に思い込んで行動してしまうのは私の悪い癖だ。

今夜は遅くなると言っていたけど、私は兼続さんが戻るのを部屋で待つ事にした。




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