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武将達との恋物語

第11章 いいこと探し 〜直江兼続〜 






……あれ?

…もしかして…もしかする……?





・・・・・・・・・・


「サラさんおはよう」

「あっ、佐助君おはよう」


いつも通りの朝、そしていつも通り挨拶を交わし合う私と佐助君は現代を生きる日本人だった。


けれど、


「サラさん、これ新作を作ってみたんだけどどうかな?」

「あっ、新しい兵糧丸?」

「そう、君の意見を聞きたくて」

和紙に包まれたスーパーボールほどの大きさの兵糧丸を佐助君は私に渡す。

兵糧丸とは、戦国時代や江戸時代に主に作られていた携帯保存食だ。
何故そんなものを佐助君が作っているのかと言えば、彼は忍者で、これは秘密任務をこなし食を撮る事を制限される忍者や武士がよく食しているから…


「兵糧丸なんて、この時代に来るまで知らなかったな」

「俺も、忍者になるともこれ(兵糧丸)を作ることになるとも思ってなかった」

「ふふっ、そうだよね」


そう、私たちが生きるこの時代は、平成でも令和でもなく、戦国時代の天正。
たまたま訪れた本能寺跡地で、偶然にも同じ場所に居合わせた私と佐助君は、何の因果かワームホールと言う時空の歪みに飲み込まれ、500年過去の戦国時代へと飛ばされた。


色々な、本当に一言では言い表せられないほど色々な事があったけれど、現代に帰るチャンスも何度かあったけど、私と佐助君はこの時代に残ると決めて戦国ライフを楽しんでいる。



「今回のは黒じゃないんだね」

いつも食べさせてもらうのは大体が黒っぽいけど、今回のはクリーム色をしている兵糧丸を口に入れた。

「…あっ、チーズ?」

「そう、チーズ。でもこれは山羊乳からつくったからシェーブルチーズってやつだけどね」

「へぇ〜、シェーブルチーズって言うの?初めて食べた。あ、フェタもそうだっけ?それなら食べたことあるよ。もう味は覚えてないけど…、でも美味しいね」


「そう?君がそう言ってくれるならなら今回のは成功だな」

「ふふっ、チーズなんてもう食べられないって思ってたけど、佐助君のおかげで得しちゃった。今日も一ついいこと探しができたな。ありがとう」

食べ慣れたチーズとはちょっと違って濃厚なクセがあったけど、何だか懐かしい気持ちに包まれた。



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