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武将達との恋物語

第10章 Reincarnation 〜織田信長〜



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「來良さんっ!」

「っ、佐助君?」

気付けば、現代の本能寺跡地。

私と佐助君は、すぐにお互いに起こった事を報告しあった。


ワームホールが現れた日、佐助君はワームホールから弾き出され戦国の世には行けなかったと教えてくれた。そして、家に戻り原因を探っている中で少しの時間軸のずれを発見し、私がタイムスリップした先が一週間前ではなく6日前であった事も分かったと教えてくれた。

「それで、來良さんの方はどうだったの?」

着物姿で戻った私の姿を見て、佐助君は興奮一杯に聞いて来たけど…


「ううん、本能寺の変を起こした本当の犯人は分かる前に帰って来ちゃったから分からないまま。織田信長の恋人については……」

話の途中で胸が苦しくなり、それ以上言葉が出せなくなった。


だって、真実がこんなに悲しいなんて知らなかった。
織田信長は、誰よりも深く人を愛した人。
深く愛したが故に、その愛しい人を奪われた怒りが彼を変え、悲しみを拭う手立てを失ってしまっただけ。


空良の記録が残っていなかったのは、彼が空良を愛し過ぎ、その記憶に触れる事を望まなかったから。


泣き出した私を佐助君は何も言わずにずっと抱きしめて背中を撫でてくれた。


私が空良の生まれ変わりなのかもしれないと言うことは自分の胸の内にだけ留めて、私はワームホールで本能寺から戻って一週間後、例のレポートを再提出した。


それを読んだ教授はまたゴシップ記事の様だと笑ったけれど、これはこれで面白い見解だと言って、学内の広報誌のレポート紹介欄に載せてくれた。








そして半年が過ぎた。


『貴様が真に空良の生まれ変わりであるのなら、俺が必ず迎えに行くはずだ。だから生き延びて俺を待て』


「もう、半年も待ってるのに…」


直ぐに来てくれると思っていた信長様の生まれ変わりは、待てど暮らせど来ないまま。







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