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武将達との恋物語

第10章 Reincarnation 〜織田信長〜



バタバタバタバタバタバタ…………

パシンッ!!


「信長様っ!」

「…っ、來良!?」

けたたましい足音と襖を開ける音を上げ、來良が寝巻き姿で部屋の中へと入って来た。

(人が愛しい者の思い出に耽っているのを邪魔しおって…)

「貴様には言葉も通じんのか?俺の前に姿を現すなと言って……っ!」


ポロポロと、來良の目から大粒の涙が溢れた。


「空良が、将軍が、…っお腹の子供が…っ!」

「おい、落ち着け」

俺の前に立ち尽くしたまま、わぁ〜っと、來良は更に涙を溢れさせ泣いた。

空良、将軍、腹の子供…

その言葉と來良の涙で、來良が今宵見た夢の内容が分かる。
來良は、空良の最後の夢を見たのだ。


「貴様が泣くことも、悲しむ事もない。あれは全て俺の責任だ」

まるで空良に言う様に、來良の頬を伝う涙を拭った。


「そ、そんな事はありません。空良は信長様の事を大好きだと言う気持ちばかりで、責める様な感情は一切ありません」


「っ、何度も言わせるな、貴様は空良ではない!空良の気持ちなど分かりはせぬっ!」

奴は俺が助けに来る事を信じていたのに、俺の名前を叫ぶ声を確かに聞いたのに、俺は間に合わなかった。


「でも、でも私には分かるんです。私の見る夢はなぜか私ではなく、私が空良の中に感情だけを置いている様な形で見るんです。だから空良が悲しいと思う気持ちも、嬉しいと思う気持ちも、信長様を愛しいと思う気持ちも、全てすーっと私の中に入って来て、そんな空良の心に、一度だって信長様を嫌いになったり怨んだりした気持ちを感じた事はありませんっ!」


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