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ロミオとジュリエットは何故不幸になったのか【エルヴィン】

第13章 別れ






―――それから2週間経った。
屋敷では私の結納の支度が急ピッチで行われており、
使用人がバタバタと忙しなく動いていた。

私はその様子を冷めた眼で見つめ、他人事のように思う。



数日前にダリウスさんのお店から送られてきた
オルゴールを抱きしめながら、私は最後の
審判の時を待っていた。

さり気なく窓の外に視線をやると敷地の外に人影が見え、
覚悟を決める。


・・・いよいよか。


私は室内にいるメイド達に「全員部屋から出て頂戴。
一人になりたいの」と命令した。

「しかし・・・」と渋る使用人兼監視人に
私は貴族らしく高圧的に応じる。


「これから私は婚約者になられる御方に恋文を
したためたいの。貴族となれば文のやり取りは常識。
もし駄作を送りでもしたら御家の問題にまで発展する
大事なのよ?使用人である貴方が責任でも
取れるのかしら?取れないなら素晴らしい
恋文を作る為に静かな空間を作って欲しいのだけれど?」


流石にぐうの音も出ない使用人達は、全員退室してくれた。

高飛車な物言いで申し訳なかったが、
使用人達にいられたら困る。



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