第17章 覗き見

「すみません。今までの話を聞いていて後学のために
お尋ねしたいんですが、結婚の決め手は何だったの
ですか？」

「腹黒いとまで言われてしまっている団長のどこが
良かったんですか？」

「調査兵は幹部といえど他兵団より薄給です。
しかも命の危険もある仕事です。それなのに何故
団長のプロポーズを受けたのでしょうか？」

「やっぱ顔・・・ッスか？」


エルドさん、ゲルガーさん、グンタさん、オルオさん
（という名前らしい）からの質問に、私は更に考える。


顔は確かにハンサムだと思うけれど最初は興味が
湧かなかったから、多分顔で選んではいないと
思う・・・。

うーん・・・と悩んでいるとエルヴィンさんが
「律儀に無理に答えなくて良いんだ」と言ってくれたが、
顔で選んだと思われるのも癪だったので答えられる
質問に答える事にした。


「エルヴィンさんと初めてお会いした時も暫く
経ってからも、ハンサムだな～と思ったくらいで
顔には興味ありませんでした」


何故かこの答えに皆さんから「おぉ・・・」という声が
漏れた。

やはり顔目当てだと思われていたらしい。


「それから随分経ってから、たまたま・・・
衝撃的な場面に出会しまして、そこで漸く
エルヴィンさんと初めて言葉を交わして興味を持って、
何やかやとお会いする事になり話術が巧みで
面白い方だなぁと・・・。
エルヴィンさんは腹黒い貴族と渡り合う為に
狡猾な方だと思いますが、とても優しい方だと
思うので・・・それで・・・・」


最後の方には赤面して尻窄みになってしまったが
言いたいことは言えたはずだと満足していると、
兵長さん、ハンジさん、ミケさん、ナナバさんからは
何故か「や・さ・し・い～？」と疑問を投げかけられて
しまった。