第5章 ~石田三成~ end. 【後編】
やっぱり仕事の早い信長様は、素早く私達に祝言を挙げさせた。
「三成はまぁいいが……きょうこ、貴様は早く嫁に行く方がいいだろう」
一言多いっ!!!てか現代だったら、まだまだピチピチなんですからねっ!!!
とは思っても言い返さない。
だって……
花婿姿の三成くんが、格好良すぎるから。
だけど三成くんは、私を見て
「こんなに美しい貴女を皆様に見せるのは、少し惜しい気もしますね」
だって。
私はその甘い言葉に照れて俯く。
「これからは、私だけのきょうこ様ですね」
「もう……ずっとそうだったでしょ?」
「ふふ……そうですね」
「うん……」
そう私達は、二人が一つになったあの日以来、秀吉さんの話をしない。
だってもう必要ないから。
私達は祝言を挙げた後、周りの皆に笑われながらも、いつも
「きょうこ様」
「三成くん」
と呼びあった。
仲の良い、友達や姉弟のような夫婦だ!なんて言われていた。
だけどちゃんと、することもしてたんだー
友達じゃ、絶対にしないことを、ね。