蝶よ花よ〈甘い蜜に誘われて〉(気象系.信号トリオ.BL )
第120章 色香を隠していても… 11
電話中
智「感覚的なもんだよね? 14年経とうがが何だろうが……」
雅紀『翔ちゃん…… ズルいよ。サトくん達ばっかり。俺とジュンにぃだって…… 翔ちゃんに会いたいよ』
電話の向こうで泣いてる。マァ。オイラも…… 涙が…… けどあの事伝えなくちゃ
和也「間違いないの。誰がなんと言おうと。でさ、ダメ元で飲みに行きませんか? って誘ったんだよね」
潤『運命だよな…… カズ達の会社にさ…… けど翔くん、飲みに行くなんて言わなかったんだろう?』
和也「まあね…… けどさ……」
ジュンくん泣いてた。オレだって涙止まらないの
けどさ、もう一刻も猶予のない状態なんだよ
だって……!
──
翔side
ートゥルルルー
非通知……
この所…… 頻繁に掛かってくる
ートゥルルルー
『データセーブをせずに…… 電源を切られたのが原因ですね』
大手ゲームソフト開発会社に、就職して
三年目
お客様相談室……
お客様のクレーム、要望に対処する……
自分から、余り人と関わらなくて良い部署を希望する
なんてそう居ないだろうからね
そりゃ、誰もが好き好んで希望したくない部署の一つに配属になったって、文句言えないよね
(良かった…… クレームじゃなくて……)
受話器を置いたと同時に、目の前に立った二人の青年
翔『勝手に他の部署に入ってきて何です? それに、僕は確かに名前は櫻井翔ですけど、お二人の思っている方とは別人ですよ?』
冷静に、返すのが精一杯……
(落ち着け…… オレ)
面影が……
和也『翔ちゃん、再会記念して飲みに行きませんか?』
智『マァと、ジュンも誘ってさ。ね? 翔
ちゃん』
間違いようが無い……
断る理由を探す…… って、動揺している時点で…… 自ら態度でバラしちゃってるようなもんだよね……
カズとサトシくん…… 二人の涙。もう誤魔化しようがない
オレも、泣きそうって思った瞬間