第2章 chapter 2 -Transaction-
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『壁外調査が決まった・・・?』
「はい、決まったみたいです。まだ長距離ではないようですが。」
『それはいつ?』
冷静なフリはできているだろうか。
心臓はドキドキと嫌な音を立て汗が出る。
「さぁ、そこまでは…」
『そうよね、ありがとう』
わたしは会話を終わらせ自室に戻る。
部屋に戻ると糸が切れたのか深いため息が出た。
まだ、エルヴィン分隊長の意図すら分かっていないのに壁外調査なんて…。
ましてや訓練歴が少ない彼らを外に出すなんて無謀としか思えない。
何を考えてるのかわからないエルヴィン団長に頭を抱える。
きっとなにか考えてるに違いは無い、ただその目的は何……?
目の前にある山ずみの資料に目を向ける。
これは、頭が痛くなるやつだ……
ため息を一つつくと私は書類に目を通しはじめた。