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祝福されないドロップス【尾形百之助】【BL】

第5章 猫*




家に帰ってもいつもと変わらない無表情を浮かべ、スヤスヤと心地よさそうに寝息を立てる百之助。

俺がなかなか寝付けず横で眠る顔をじっと観察する。


【慶次】
(寝顔もかわいいなこん畜生・・・・)


射精はあの時初めてだったが、色んな意味で悔しい。
俺の方が経験豊富なはずなのに、何だかこの幼子に弄ばれているような気分だ。

百之助は1泊だけとの約束だったため、翌日の朝には帰っていく。

挨拶も兼ねたいと百之助の家に行くと祖父母がいて、以前何度か顔をあわせたり話したこともあったので百之助が初めての銃で鳥をとった話で盛り上がった。





【慶次】
(こんなんじゃ駄目だ。仕事に身が入らん)


別れた日からそう経っていないが、頭にチラつくのは百之助の顔ばかり。

初めて撃ちとった鳥をくれ、
膝のうえに乗ってくれて、
一緒に食卓を囲み、
差し出したものを食べてくれて、
初めて笑ってくれて、
名前を呼んでくれて、
腕の中で精を吐き出して・・・・。


【慶次】
(だぁあああ、くそっ!!こうなったら念仏唱えてやる。心の乱れは性の乱れ、南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏・・・・・・・・)

【赤松父】
慶次。なにをぶつくさ言ってる?堀内さん家にこれを届けに行ってくれないか。


心の中で唱えていたはずが、口にまで漏れ出ていたらしい。
今は螺鈿細工に集中できないため、出歩くのもいいかもしれない。


【慶次】
分かった、行ってくる。


お得意先でもある堀内家の若奥様は、俺のことをお気に召している。

なぜかって?
若奥様は綺麗なものが好きで、たくさんの螺鈿細工を買い上げてくれており大切に使ってくれている。作り手としては大事にしてくれるのはとても有り難い。

だがちょっと困った趣味もあって、大きなお座敷のなかに入ると、いつもの流れで寝室へと招かれる。


【若奥様】
はぁん・・・・・・・・んぼっ。


届け物を渡したらさっさと帰りたいのだが、こういった人でも大切なお得意様であるため無碍には扱えない。

褌を取り払った着物の間から淫らな顔を覗かせ、やる気のないふにゃチンを咥えられている。




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