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Cherry-pick【名探偵コナンR18短編集】

第6章 眼鏡と読書が趣味なんです。【沖矢昴】


「ズバリ聞きますけど・・・沖矢さんは何をされている方なんですか?」


結局自宅に沖矢さんをあげて、ソファに座ってもらいお茶を出し。
食事の支度をしながら、ついに聞きたかったことを尋ねた。


「僕は学生なんです」

「えっ?失礼ですけど・・・おいくつ、ですか?」

「学生といっても院生なので・・・あなたが思ってらっしゃる普通の学生より年齢は上ですよ」

「あー、ですよね、ちょっとビックリしかけました」


なるほど、院生か。
実家がお金に余裕あるんだろうな、きっと、と想像しながら料理を作る。


元々ちゃちゃっと作るつもりしかなかったので、本当に簡単なものだけだけど、出来上がった料理を沖矢さんと食べ始める。
(沖矢さんの買ったお惣菜も温めて並べた)


「誰かに食事を作ってもらうのは久しぶりです」

「私も誰かに作るのは久しぶりですー・・・なんかいいですね、家で人と食べるのって」


社交辞令ではなく、本心だ。
たまに同僚や友人と外で食べることはあるけど、家ではいつもひとりだから。


あっという間に空になった皿。
いつもならとっととシンクに持っていくところだけど・・・
沖矢さんと喋っているのが楽しくてついつい座ったまま会話を続ける。


「・・・こんなに美味しく野菜を食べたのは初めてかもしれません」

「よかった。ちゃんと食べた方がいいですよー」

「さんを目の前にしていたら本当にそう思いますね・・・肌も、髪も、綺麗で健康そうです」

「そう、ですか?うん、食生活は大事です」


なんだか会話がぎこちなくなったので席を立ち、皿を片付ける。

隣に沖矢さんが来たので「どうぞ座っててください」とまたソファを促すけど、彼は離れない。


「さん、甘いものが食べたいです」

「デザート?アイスがあったかも・・・」


冷凍庫のドアに手をかけると、後ろから手を重ねられて制される。


「もっと甘くてゾクゾクするモノです」

「あ、の・・・沖矢さん・・・?」


すぐ後ろに立たれている。

逆の手が私の顎を持ち上げて、後ろを向かされ・・・唇が重なった。

え・・・

思考が止まって・・・唇が離れた数秒後にジワジワと意識がハッキリしてくる。

・・・え?

驚き目を見開く。


「さんのココ、甘くてフワフワで・・・溶けそうです」
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