Cherry-pick【名探偵コナンR18短編集】
第22章 It's SHOW TIME!【快斗/真田共通ルート】
食事は終盤、ショーは中盤。
ステージ上では、世界的に有名な、女性が微笑んでいる絵画に向かって、真田さんが何やら話し掛けていた。
すると、絵の中の女性の顔がパッと満面の笑みに変わって、たちまち起こる拍手喝采。
初めて見る演目に私も大満足。
興奮気味の私と違って、隣の快斗は頬杖をついてブツブツ何か言ってるけど……
「ふーん……なるほどなー、そういうことか」
「快斗……どうやってるのか分かるの?」
「ん?まあな。今度似たよーなヤツやってやるよ」
「うんうん!見たい!」
やっぱり快斗ってすごいのか?私だってマジックを見るのは大好きで、今まで真田さんのだけじゃなく、たっくさん見てきたけど。タネは分からないもん。
そしてショーはいよいよクライマックスになり、ステージには女性のアシスタント(ちなみに超セクシー美人お姉さん)も登場して、大掛かりな演目が次々に繰り広げられた。
すごい。大、大、大満足だ。
「やっぱアシスタントかー……」
「なに。快斗ああいうお姉さんがタイプなの?」
「なっ!ちげーって。アシスタントがいた方がマジックの幅が広がるよなーってことだ」
「ふーん……」
そりゃたしかに、一人で出来る演目には限界もあるだろう。でもふと、快斗が美人のお姉さんと一緒に舞台に立ってる所を想像して……なんかモヤっとした気分になる。
ステージから真田さんが降りてきたことで、そのモヤモヤもかき消されたけど。
彼は私達のテーブルの脇を通り、会場の奥へ向かっていく。歩いてるだけでもカッコイイんだからすごい。
最後はそれぞれのテーブルにお礼を言って回るみたいで。奥のテーブルから順に真田さんが回っていく。
お客さんの中には、花束やらプレゼントを渡してる人もいて……
「どーしよ快斗……私、招待してもらったのにお花も何も用意してないよ……?」
「花か……?ま、気にすんな。だいじょぶだ」