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Cherry-pick【名探偵コナンR18短編集】

第21章 緋色の煩悩【赤井秀一】


組織のボスの側近とされる人物、ラム。かつて組織に潜入していた俺でも、その名を聞いたことがある程度で、対面したことはない。

どうやらソイツが最近動き出しているようで。近頃は専ら来日中のFBIの仲間と共にラムの可能性がある怪しい人間の情報を集めていた。


そして今日、その疑いのある人物の尾行に俺も参加することになった。俺に割り当てられた時間は、夜の始めから長ければ早朝まで。相棒はジョディ、俺の元恋人だ。
(元恋人と言っても今は同僚でしかないし、やましい事は何もない)


昼過ぎにに、“今夜は家を空ける”という趣旨のメッセージを送り、仮眠を取って夕方頃家を出た。


顔を出す程の時間は無いが、の様子でもコッソリ見てから行くか、と彼女のバイト先の喫茶店の近くまでやって来た。


車道を挟んで向かい側の歩道を歩きながら店内の様子を伺うと……バーボン……と言えばいいのか、降谷くん、いや今は安室くんか、彼が働いている姿が見え、咄嗟に視線を進行方向へ戻した。

足は止めずそのまま歩く。俺は沖矢の格好だ、別に隠れる必要も無いのだが、それ以上店の中を見る気にはなれず……結局の姿は確認しないまま、その場から去ってしまった。


彼らのバイト先は同じなのだ、一緒に居るのは当然。しかし今あの二人がどんな様子で一緒に過ごしているのか……妙に気になった。

いくら沖矢昴の正体を暴く為にに接触してきたとは言え、降谷くんのに対するアプローチは中々真に迫るものがあった。まさか本気なのでは、と思う位に。


おそらく今は、何事も無かったように普通の店員同士として振る舞っているんだろうが。




またしばらく歩き、ジョディに車で拾ってもらい、怪しい人物の居場所に着き、張り込みを開始した。

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