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【降谷零】意地悪すぎだよ!降谷さんっ!!~翻弄しすぎの上司~

第17章 素直な心


「確かに…すぐに返事が出来なかった僕も悪いけど…」

そう呟きながらも降谷の顔はふにゃりと崩れた。
その後に返事を入れるべくラインを立ち上げる。

『帰ったら真っ先に会いに行く。待ってて。』
『それから、いつも先走って勝手に切るな。返事くらいさせてくれ。』

2通に分けた事に意味は無かった。入れ忘れた訳でもない。ただ、1通でも多く雅に入れたかったというのは嘘ではなかった。

服を着替え、髪をまとめ、瞼を閉じ深呼吸する。

ゆっくりと目を開けて鏡の前の自分を確認する。しっかりと『バーボン』に染まっているのを確認した後はニッと笑うとぽつりとひと言呟いた。



――――・・・

そうこうしている内に出発の時間も迫り、家を出る。向かう先は東京駅。ベルモットとの待ち合わせの場所だった。

「うん、時間前には着いたか…」

そして携帯の設定までもバーボン仕様に変える。ひょんな事で自分がノックである事を悟られぬ様…そうしていると遠くからやはり目立つ、ベルモットが近付いてくる。

車から降りたバーボンはさらりと助手席を開けて招き入れた。

「ありがとう、バーボン」
「いえ、おはようございます。」
「今からなら十分間に合うわね。向こうに着いたら何か食べましょ?」
「朝食、食べてないんですか?僕は食べてきてしまいましたが。」
「あら、もしかして子猫ちゃんの手作り?」
「そんな事ありませんよ。僕1人ですし。」
「……あら?そう?」
「えぇ。」

そう言われながらも東京駅から羽田空港に向かって車は走りつづけていた。

「そういえば、ジンとは向うで?」
「えぇ。その手はずになってる。ウォッカも居るけれどね」
「…へぇ、そうですか…」
「なにか問題でも?」
「いえ?出来る事なら飛行機の中くらいはジンと顔を合わせたくないと思いましてね…」
「あら。そう?」
「まぁ、僕の見解ですけど」

そう言っていた。
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