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【降谷零】意地悪すぎだよ!降谷さんっ!!~翻弄しすぎの上司~

第3章 むぅぅぅ…


そうはいっても、降谷から誰か直接聞いた訳でもない。ただ純粋に降谷の態度が解りやすいというだけの事…しかし当の本人である雅は好意というものを深く感じてはいなかった。他の人と接するのが多いのも自分がZEROの1人だからだろう…それほどにしか思ってはいなかったのだ。

トイレに行ったっきりなかなか戻らない雅。いや、戻れなくなっていた。昨日の今朝で、朝の会議の途中はそうでもなかったが…視界に入り、声が届く…そんな場所に居られるわけもなかった。

(確か…今日は……午前中だけのはず…午後からは…・・よし…!!降谷さんポアロの日だ。午前中だけ乗り切れば…!!)

そう言い聞かせて雅は息を整えて部署に戻った。

「戻って来たか」

(な…なに?この空気!!)

待っていましたと言わんばかりの降谷の満面の笑み。反応しきれないでいる雅は聞こえなかったふりをしてデスクに着く。

「あとどのくらいで終わる?」
「いーーーっぱい残っているので…」
「そんな事あるか。…どれ…」

そう言いながらも後ろから覗き込む降谷。ぽんっと肩に手を置くとにっと笑った。

「成瀬ならもうあと10分もすれば方付くな。よし。たまには早く上がって休息をとれ。」
「しかし…」
「しかしじゃぁない。僕も鬼ではないからね」
「…でも」
「でもじゃない。僕がお願いしている内に。解ったな?」
「……ハァ…」

そうして今朝の事が蘇ってくる。『鬼』と言ったのが余程むかついたのか…、いやそこまで根に持つ事でもないはずだ…

「……ーーーーーーッツ!!!!!」

苛立ちが再び燃え上がった雅は自身が思っていたよりも早めに仕事を片付けた。ふぅ…っと一息ついた時に携帯を見るとメッセージが来ていた。

『昼食は僕が御馳走する。良ければ風見と一緒にポアロにおいで』

ため息を吐いた瞬間に風見が後ろから声をかけて来た。
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