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【降谷零】意地悪すぎだよ!降谷さんっ!!~翻弄しすぎの上司~

第9章 イミテーションデート


数分後、ベルモットが戻って来た。車に乗せ、再度発進させる。少しの間ドライブをする事にした2人は行くあてもなく車を走らせる。

「それにしても、バーボン?」
「はい?」
「マンハッタン…行ってみる?」
「…それは…実際にですか?それとも違う意味で?」
「フフ…後者かしら」
「残念ながらベルモットとマンハッタンへは行けそうにありません」
「どうして?」
「僕がまだその器じゃないからですよ。」

気付けば臨海公園に来ていた。駐車場も広く、平日という事もあり多少疎らにあった位。それほど目立つ事は無かった。

「器かどうかは関係ないわ。」
「僕が意外と気にするんですよ」
「…そう?」
「見えませんか?」
「えぇ。全く…」

そう言うとすっと助手席からベルモットの手がバーボンのループタイに手が伸びる。同時に左手は頬に触れそっと唇を重ねた。

「…ン」
「クス…そうね。」
「ほら。…あなたを後悔させる事になる」
「やめておきましょう?あなたの可愛い子猫の為にも…」
「何のことです?」
「まぁいいわ?そうしておきましょう。」

そういうとするりとタイからベルモットの手が離れた。その代り…と言ってディナーの奮発を催促された。

「解りました。どこかおすすめは在りますか?」
「そうね…レストラン アルセーヌはどう?」
「…ハハ、またここから距離がありませんか?」
「いいじゃない?あそこはとっておきの場所よ?」
「あなたのお気に入り、でしたね…」
「えぇ。」
「解りました。」

そうして言われるままにバーボンはアルセーヌにむかった。窓際の席に案内され、ワイン片手に飲んでいくベルモット。素知らぬ顔してバーボンも食事に手を付けるがやはり職は思う様に進まない。

「口に合わなかったかしら?」
「いえ…どうやら最近食欲が無いせいか…」
「そう?」

食事もゆっくりと済ませ。最後のデザートに入った。

「…失礼します。こちら、お客様の目の前でのお仕上げとなります。」

そういいコアントローをふりかけフランベをする。香りと風味のみ残して仕上がった物を口に運ぶ。食い入るように見つめていたバーボンにベルモットは小さく笑いながらも見つめていた。
食事を終えた2人はそれぞれ帰ってく。

「本当にこちらまででいいのですか?」
「えぇ、ありがとう、バーボン」
「いえ。それでは…」

そうして2人は別れていった。
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