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【降谷零】意地悪すぎだよ!降谷さんっ!!~翻弄しすぎの上司~

第21章 レフティーの重き代償…


車まで行き、雅の車に荷物を入れた降谷。頭にポンと手を置くと、笑いかけた。

「じゃぁ、また明日な?」
「…帰るの?」
「まだ居てほしいなら居るが…」
「…良いです…帰ります…」

俯いてしまった雅の手を掴んだまま離さない降谷。

(何よ…帰れって言ったり引き留めたり……)

「明日。傍にいてほしい」
「え…?」
「次第によっては…平静を保てるか解らない…」
「でも、風見さんもいるし……」
「頼むな」

言うだけ言うとそっと手を離して降谷自身も車に乗り込んでライトを点けて走って行った。残された雅はきょとんとして見送るしかほかなかった。

「な…に?あの俺様……てか…平静保てるかって…そんな危なそうな相手には見えなかったけど…」

少しためらいがちにも車に乗り込み雅は降谷を追いかけるように署を後にした。


翌日。いつもより少し早めに家を出た雅。そのまま署に急いだ。少しでもなにか他の手掛かりでも、降谷と風見が上手く円滑に行くようにと整理するために…

「…おはよう」
「お…はようございます」

しかし、それの上を行く人物が居た。そう、降谷だ。いつからいたのか解らないが、確かに一緒に、いや、先に帰ったはずの男がそこに居た。

「どうした?そんな変な顔して…」
「いえ…早いお着きで…」
「そりゃ、昨日の君が導き出してくれた人物…読み込んでおかないとね?」
「あの…降谷さん?」
「なんだ?」
「……平静…保てると思いますけど…普通に…」
「どうかな。何と言ってもこの男、僕が殺したいほど憎んでいる男と同じ『左利き』だからね…」
「それだけですか…?」
「…フフ」

笑ってごまかそうとする降谷に小さくため息を1つ吐いた雅。そんな時だ。風見がやってくる。

「おはようございます!」
「おはよう」
「…って、自分が今日…最後ですか?」
「そうだな。中だるみとはね…」
「そんな…すみません。」
「クスクス…そんなに言わなくても…これでも他に比べたらよっぽど早いんですよ?」
「まぁ、確かにそうだな」

そうして作戦会議なんていうのも無く、それぞれの仕事についていく。9時を回ろうかと言う時、室内に内線が入った。
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