第6章 楔 シンドバット [完]
誰もいない道に二人の悲しげな一つの影
『シン…もう二度と、もう二度と合わない。』
と心に誓い合った夏の夜。
シン「ただと傍に居るだけで笑い会えたんだ。」
そんな日が続くと信じていた。
『シンを嫌いになるくらいなら、このまま二人で夜になりたい。』
最後の口付け。触れるだけで痛いよ。
『愛しい気持ちがある触れてシンを壊す前に…
抱きしめて、シンの腕であと1秒だけでもこうしていたい。
もう喧嘩する事も もうやきもち焼く事も
もう顔を見る事さえ出来なくなるの?』
シン「不思議だな、 どうして人はすぐに、
守れない約束をするのだろう……?
人の心を繋ぎ止めるものなど…どこにもないと知っているのに…」
最後の言葉が 優しすぎて痛いよ…
二人はお互いのこと分かりすぎてしまった…
『抱き寄せて…私の胸に…子供のようなシンの髪を撫でたい、
もう横で笑う事も、もう横で眠る事も、
もう名前を呼ぶ事さえ出来なくなるの?』
シン「心を繋ぎ止められるものは約束じゃない
約束は自分への気休めなのだろうか…」
『抱きしめて…シンの腕で…あと1秒だけでもこうしていたい。
もう喧嘩する事もう…もうやきもち焼く事も。
もう顔を見る事さえ出来ないのなら…
もう会いたくなっても…もう息が出来なくても、
シンを呼ばないと、約束するから
シンを呼ばないと、約束…するから……』
[完]