第1章 覇王と少女 [完]
ーー 捨て猫 ーー
一人の少女が誰もいないそこでただ佇んでいた。
辺りを見渡しても誰もいない。
いや…誰もいないという表現は間違っていた。
人の形はたくさんあるのだ。
ただそれは息をしていない
ただの屍としてそこに転がっている。
「ここは…どこ……」
少女は呟いた。
彼女の家はどこだっただろう。
「な、で…みんな…目開けない…?」
彼女はひとりぼっちだった。
彼女はそれが悲しみとは知らなかった。
目の前にある死を知らなかった
そして彼女は知らなかった。
彼女のそばに横たわるその死体が
彼女の母であることを
彼女は知らなかった。
彼女が家を失ったことを