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glorious time

第9章 蛍石の道標


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「休み…?白縹が、ですか?」

「うん、熱出したから休ませるって、保護者代わりの人から連絡入ってきたの」

執務室を同じにして、日に日に少しづつだが、コミュニケーション…というか、悪ガキのお守りというか、関係を徐々に良く(?)していく中、やけに出社が遅いので探していたところ。

首領に呼ばれて話を聞いてみると、熱で休み。
珍しい…というか、寧ろガキらしい所があって安心したというか。

「あいつの連絡先知らなかったんで助かりました、態々ありがとうございます」

「いやいや、それに関してちょっと中也くんに相談があって…」

「…首領が、相談…ですか?」

聞き慣れない単語に目を丸くして、その先を聞く。

「うん、というのも彼女、病気したら治るのにかなり時間かかっちゃう体質…というかそんな感じのあれなんだけど、ちゃんと休んでくれる気がしなくってね」

「休む気がしないって、休むって連絡が入ったんですよね?」

「中也くん、あの子に渡した仕事でまだ完了してないものってある?」

そりゃ、期間を置いて二、三個程はあるが。

当然だ、管理職の仕事もある上に役職が役職なので、手軽なものを入れてもそのペースが通常。
まあ歳も歳だし、そこまで重荷になるようなものやあいつの負担になりそうなものは勝手に自分でやってはいるが。

「二つ三つは…けどまあ、最悪間に合わなくても自分でカバー出来るようなものですし、期限にも余裕ありますから」

言い切ったのだ、余裕があると。
なのにも関わらず、首領の執務室にノック音。

それに何かを察したのか、苦笑いになって「入っておいで」と首領が一言。

すると扉を開けて…外から顔を真っ赤にさせた俺の部下が中に入ってき…!?
いや待て、こいつ今日休みだっつってたんじゃねえのかよ。

『遅れ、ました…おはようございます、っ……今日のミーティングの分と、あと武器庫の納品リスト…!』

「な、っ…おま、息切れすげぇぞ座ってろ!、?」

「リアちゃん、仕事はいいけどお休みは?」

『……あいつまた余計なことを』

「熱出したって聞いたけど?“反ノ塚くん”から」

聞き覚えのない名前。
首領は知っている相手らしいが。

ソファーに座らせようとするのを聞きもせずに、肩で息をしているそいつ。
…いや、どう見たってお前重症だろそれは。

『…下がった』

嘘下手か
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