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glorious time

第9章 蛍石の道標


連れてきたのは洋食屋。
何が好きかもよく分からなかったので、客層の広いところを選んできたのだが。

『リアお腹空いてないから…』

「腹減ってねぇなら甘いもんでも食ってろ」

『らない、』

「なんでそこで駄々こねてんだよ、貰えるもんは貰っときゃいいんだ、歓迎祝いだとでも思っとけ」

先程からやけに反発される。

『夜に女の子連れ回すとか大人の男としてどうなんですか』

「お前の歓迎会開こうとしたら断られたっつって首領が嘆いてたから俺が代わりに引き受けてんだよ!!」

『…なんだ、そういうこと』

何かが、切れたような気がする。
今もしかしてまずいこと言ったか、俺。
売り言葉に買い言葉で、勢いで。

『それなら、いいです別に…家、帰るから降ろしてください』

「なんでいきなりまた拗ねてんだよ、さっきのは俺の『無理しないでいいから』無理とかじゃなくてだな」

『…っ、いらな、い…なら、らないって…言って…、』

震えて、涙ぐんだ声にギョッとする。

「おまッ、何泣いて…!?」

『首領の命令、くらい私がっ…お願い、するから……嫌々構うとか、しなくてい…い、もん』

「誰が嫌々構ってるっつったよ!?俺が構いたくて構ってんだ分かんねぇのか!!?」

『!!!…ほんと、?』

ピタリと何かを止めてこちらに問い返されるのにドキリとする。
やめろそんな目で見んな妙に小っ恥ずかしくなってくるから。

「…おう」

『……あ、後になっ、て…いらなかった、とか…ほんと、は嫌いだった、とか…言わない…?』

「んな事するくらいなら最初っから関わってねぇわ!!?」

『そ、……っ…そ、か』

レストランの駐車場に車を停め、助手席を見れば、本当に安心しきったような反応をする少女。
待て待て、お前そんなキャラだったかおい。

って、違う、そうだ。
そういやこいつ、親に殺されただなんだって首領が…

「……約束してやるよ、覚えとけ。手前がサボっていなくなろうがふざけた嫌がらせしてこようが、地獄の果てまで責任とらせに追いかけてってやるよ」

こつ、と軽く握り拳を彼女の頭に当てて。

『…ストーカー??』

「やっぱ手前ナメてんな俺の事」

『乙女のこと追いかけ回すなんてそんなの変態しかしませんて』

「はは、言ってろ嫌でも逃がさねぇわ手前」

『……手前じゃないもん』

「…リア?」

『!?』
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