• テキストサイズ

刀剣純情伝 《刀剣乱舞/短編集/R18》

第49章 肥前、捻じれた世界へ行く 2 〔肥前忠広〕


「…ずいぶんあっさり帰るんだな」

レオナが肩をすくめ、ラギーは肥前たちの消えた場所をもう一度見つめる。

「もう、来ちゃだめっスよ」

ラギーがバイバイと消えたところへ向かって手を振り、先に植物園に戻ろうとするレオナの後ろを追い掛けた。



「…おや、今回もあっさり帰られたようですね」

学園長クロウリーは気配を察し、学園長の部屋の窓から下を見下ろしたが、時間遡行軍に追われた生徒たちがまだ戻らず、うろうろしているのが見えただけだった。

「…ひと騒がせですね、もう、来ないでくださいよ」

ぱちりと指を鳴らしてティーカップにお茶を注ぐと、それがふわふわと手元に飛んできて受け取ったクロウリーは優雅にカップを口につけた。




「…戻ってきた」

一方、ツイステッドワンダーランドから戻ってきた肥前たちは、ばたばたと部屋から出て走ってきた審神者から「おつかれさま」と労られていた。

「肥前さん、またあっちに行ってしまったのですね」

「…あぁ、ほうきに乗って空を飛んできた」

「あー、良いなぁ、誰に乗せてもらったの?」

「フロイド」

肥前が名前を出した途端、前のように審神者は「うあああああ」と絶叫した。

「ふ、フロイドに乗せてもらったの、良いなぁ、背、高いでしょ、かっこよかったでしょ、良いなぁ、良いなぁ」
/ 790ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp