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刀剣純情伝 《刀剣乱舞/短編集/R18》

第49章 肥前、捻じれた世界へ行く 2 〔肥前忠広〕


「この辺はオレが守るから、存分にそっちは戦ってにゃあ」

「おー、頼んだー」

和泉守が返答してきて、南泉は生徒たちを守るように前に立ちふさがった。

「主も刀遣いが荒いにゃあ。いきなり説明もなくどこかに飛ばすとか言ってきたんだから、にゃあ…」

南泉はひとりごち、もう一度刀を構えた。

「ま、やることはやるにゃ」

時間遡行軍が向かってくるのを南泉も走り込み、そのまま薙ぎ払う。



しばらくして、肥前たちと遡行軍の戦いもようやく終わりがみえ、最後に残った大太刀を斬り落とすと全員が刀を鞘にしまった。

「肥前、おまえ、またここに飛んでたのか」

和泉守が笑いながら肥前に絡むと、加州も近寄りながら言う。

「主も行きたいって騒いでたけど、主がこっちに来ると戻れるかどうかわかんないからね、長谷部が必死に止めてたよ」

「肥前くん、やはり、罠をつくって仕掛けておいたほうが良いかい?」

「いや、先生、それは止めてくれ」

呑気に罠を作りたいという南海に、止めてくれという肥前の口調は、いつもの本丸にいるときそのままだった。

「へぇ、仲間といるときはそんな感じなんだね、タチウオくん」
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