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刀剣純情伝 《刀剣乱舞/短編集/R18》

第49章 肥前、捻じれた世界へ行く 2 〔肥前忠広〕


「そいつ、こっちに来させるな」

肥前が短刀を斬り付けて後ろのレオナたちへ叫ぶ。

「フロイドくん、大丈夫っスか」

ラギーがフロイドを揺さぶると、フロイドが「…ってぇ」と小さく呻きながら自分で上半身を起こす。

「…っ、うぜぇ」

フロイドの目がぎらりと変化したのにレオナたちは気付く。

「あいつら殺す」

フロイドが立ち上がろうとするのをレオナたちが押さえる。

「おい、駄目だ、動くな。あいつから動くなと言われている」

「そんなの知ったこっちゃねぇよ。離せ」

フロイドがレオナを鋭い目でにらみつける。

そこへ、空から五本の光の線が地へ射し、一瞬眩しく光ったと思うと、肥前とは違う恰好をした刀剣男士たちが立っていた。

「また、ここに来ていたんですね」

「主がすぐ見当をつけたから今回は早く見付けられたぜ」

「堀川、和泉守」

肥前が名を呼ぶと、声を掛けられた一人が長い髪をなびかせて、太い刀身を閃かせた。

「ほら、来いよ。オレたちが相手だ」
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