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刀剣純情伝 《刀剣乱舞/短編集/R18》

第46章 肥前、捻じれた世界へ行く 〔肥前忠広〕


時間遡行軍と戦えるのはおれだけだ。

おれは着ていた制服姿から自分の気を集中させ、刀を顕現させると服装も戦闘姿に変わった。

騒ぐ生徒たちの間を進み、時間遡行軍の前におれが姿を見せると、やつらは一斉におれを見て生徒たちからおれへとターゲットを変えた。

「おい、あいつ、なんだ?」

「確か留学生じゃないか?」

「あの恰好はなんだ?それにあのサーベルみたいなのはなんだ!」


口々に生徒たちが騒ぐのを「うるせぇ」と低く一吠えすると、彼等はぴたりと口を閉ざした。


おれは左腰に挿した鞘から抜刀し、体勢を低く構える。


「さぁ、肥前忠広が相手をしてやる。かかってこい」


時間遡行軍が自分の刃を閃かせて突進してくるのを躱し、後ろからざくりと斬り付ける。

斬られたやつは勢いあまって生徒たちのほうへ歩み、生徒たちは叫んで後ろへ後ずさる。

そして歩きながら倒れていき、そのまま砂になったように姿を消し、生徒たちから奪ったペンのようなものがバラバラと地面に落ちた。

「わっ、消えたっ」

「死んだら消えるのか?」

「マジカルペンが!」

口々に生徒たちは叫び落ちたものを拾おうとするが、他の時間遡行軍がそれを阻止し奪おうとするので、奪い返す事が出来ずにいた。
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