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刀剣純情伝 《刀剣乱舞/短編集/R18》

第16章 当番 〔燭台切光忠/肥前忠広〕


最近やってきた男士は、「めしは食う専門」と言い放った。

全ての事は当番制だから、食う専門じゃあ困るんだよね。

ぼくは歌仙くんと相談して、どちらかが必ず彼と一緒に組んで、調理を覚えてもらう事にした。

調理の機動が落ちるから、堀川くんにもその時は入ってもらう事にして、堀川くんにも了解を得る。

「勿論良いですよ、少しずつ覚えてもらいましょう」

堀川くんはにっこり笑って了承してくれる。

弟にしたいような可愛さだけれど、ぼくには貞ちゃんという可愛い弟のような短刀がいるし、堀川くんは和泉守くんを慕っているから、お互いにとっても大切な存在がいるって事か。



ぼくは足を運び、食う専門、と言った肥前忠広くんのところを訪問した。

「ここは当番制でいろいろな事をしているんだ。だから食う専門じゃなくて肥前くんにも調理を手伝ってもらうよ」

「あぁ?俺がめしを作るのか?」

めんどくさそうに返事をする姿は、慣れあうのが嫌いな彼に似ている、とぼくは思う。

「そうだよ、出来ないならぼくと歌仙くんと堀川くんで教えるし、ひとつずつ簡単な事から始めていくから大丈夫」

「ぼくもその当番は入っているのかい?」

横から口を挟んだのは、肥前くんと一緒にこの本丸にやって来た南海太郎朝尊くんで、肥前くんはずっと彼の事を『先生』と呼んでいる。
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