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白夜に飛ぶ鳥【ONE PIECE】

第4章 白竜の彫師


「おいしいでしょ」
「ああ」

 幸せそうな顔で同意を求められ、和む。

「おばあちゃんとサギィにも買っていこうね」
「それはいいが……、時間潰そうとしてねぇか」
「ぎく」

 気まずい顔では焼き栗の皮を剥く。

「べべべ、別に、痛いのやだからゆっくり行こうとしてる訳じゃないよ……あ、あ、熱々のうちに食べたいだけ」
「ふーん」

 ならまぁいいかと、ローは隣に座った。

「これ手が黒くなるのが難点だな」

 天気のいい休日なので、広場には多くのカップルが来ていた。敵船からを助ける時に見たような気がする女もおり、その後は順調なようだ。

「なあに? キャプテン、楽しそう」
「ああ? 別に何も楽しくねぇよ」
「じゃあ嬉しそう?」
「なんでだよ」
「そんな気がしたの。女の勘」
「外れだ」
「そんなことないよ。キャプテンが意地っ張りなだけ」

 ローに自分が剥いた栗を食べさせて、は笑う。

「何か嬉しい光景があった?」
「別になにもない」
「もー。私は見えないんだから意地はらずに教えてくれたっていいじゃない」
「だから何も――」

 ふいに向けられた殺気に、ローは鬼哭を持って周囲を警戒した。

「キャプテン?」
「はそこにいろ」
「見つけたぞ、トラファルガー・ロー!!」

 奇襲を警戒したが、殺気の持ち主はバカ正直に長どすを構えてローに対峙した。大柄でちょび髭を生やし、頭にトップハットをかぶった男だった。
 そっと焼き栗を片付けていつでも動けるようにしながら、が小声でささやく。

「海軍?」
「いや、違うみたいだ。……誰だ!? 俺に何の用だ!」
「俺の名はゴンザ! 俺と勝負しろ、トラファルガー・ロー!! 俺が勝ったらお前の海賊団は俺がもらう!」
「……はぁ?」

 よくわからないが刃物を持って飛びかかって来られたので、ローは遠慮なく能力でぶった切った。
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