• テキストサイズ

[R-18]娼婦の唄【轟 焦凍】【爆豪 勝己】

第1章 物語の少し長い冒頭





月夜の美しい晩でした。



翌日、姐様の身請けの日だというのに、その日の夜は何故だかとても眠たくて、私は姐様の膝に頭を乗せていました。
「お眠りなさい。私の可愛い駒鳥」
優しい声が聞こえ、安心します。
「……姐様、最後に唄が聴きたいです」
「あらあら、仕方のない子ね」
姐様の少し冷たい手が私の頬を撫ぜると、姐様はその優しく細い声で唄を歌い始めました。





「今夜も私は あの人を紅い鞠をついて待ちます
この鞠が百つければ あの人は必ず来るでしょう
紅い鞠が手から落ちて
地面を転がってあの人の草履に当たりました
あの人は私の手を取って」





遠くでパチパチと 爆ぜる音が聞こえます。
それさえも耳に心地よく、私はその意識をゆっくりと
闇へと落としていったのです。
/ 32ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp